固定価格買取補償制度で『儲かる自然エネルギー』
投稿日時 2007-10-29 11:59:25 | カテゴリ: SSの"め"
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ふじながのぶよレポートno2
レポートNo1に登場したDr.Pechさんは、「Fesa」というエネルギー・ソーラー振興協会の理事である。彼らが所有する大規模太陽光発電所B31を訪れた。
幹線道路B31脇に建ったので「B31」という。兎に角でかい。出力なんと336KWだ。日本の一般家庭の屋根に載っているパネルが4kwくらいだから約80倍の大きさ。年間約34万kwh、ドイツの一般家庭100世帯分くらいの消費量を発電する。
ここで発電した電気は全量1kwhあたり49Euro cent(日本円で約80円)で電力会社に義務として買取られる。年間の売電額は16.7万ユーロ(約2800万円。*この時1ユーロ165円で計算。)と試算している。投資総額は、約191万6千ユーロ(約3億1千万円)、30%が自己資金でこれを85名の公募投資(1口30万円程度)で賄い、あとは金融機関から借り入れた。耐用年数を20年とし、その間の総発電量は680万Kwh、固定価格で買上げられる売電額は334万ユーロ(約5億5千万円)。金融機関には3.75%の低利で15年で返済し、その後は経費を除いた利益のすべてが投資家に分配される。出資者には年4%の配当が支払われる計算。結局、20年間の販売総額は投資額の174%にも上る。儲かるのだ。
儲かる仕組みは、こういう大型だけではない。ECO住宅地区である『ヴォバーン』(元はNATO軍の基地であったところ。市民に開放されエコ住宅地として創設された)は、現在は42haに5000人以上の若い世帯が居住している。住宅地の中まで市電が入りカーフリー政策が実行されている。ここでは使用エネルギーを通常の25%以上削減される低エネルギー住宅が大半で、中にはソーラーパネルを設置し、消費するエネルギーより売電するエネルギーの方が多い「プラス・エネルギーハウス」もある。
質問したら、固定価格買取制度によって1kwhあたり約75円で発電全量が買い取られる。そうして、必要な電気は通常価格の1kwhあたり10~17セント(17円から28円)で電力会社から買うのだ。この差額が儲けになる。ドイツの固定価格買取制度とは、こういう儲かる仕組みなのだ。
日本の我々の市民共同発電所は、余剰電力買取制度で「余った分だけ」通常価格で買い取られる。耐用年数がきても元は取れない。温暖化対策の重要な柱のひとつ「自然エネルギー普及」に向け日本の制度改革は急務だ。(写真は、B31とプラスエネルギーハウス)
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