『サステイナブル社会』構築に向けて、なお闘うドイツの市民運動
投稿日時 2007-10-19 10:13:50 | カテゴリ: SSの"め"
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ふじながのぶよ・レポート no1
2007年9月24日、4年ぶりにドイツ・フライブルグに向かった。
今回は、「自然エネルギーの進捗状況」「脱自動車の交通政策」「焼却に方針転換したプラスチック容器ごみ」の勉強と視察が目的であったが、定点観測のように5回目の訪問になるので、故郷に帰るようなほっとした旅であった。出国審査を終え、大好きなアナウンスに送られ出発した。
9月末だというのに、30℃を記録する『暑い大阪』から12時間余、フランクフルト空港はさわやかだ。
特急に乗り南へ2時間あまりでフライブルグ駅に、乗り換え30分で黒い森の中の駅「Winden」に到着。 牛のにおい、干草の匂い、満天の星。
ここを拠点に10日間の研修が始まる。フライブルグ大学創立100年祭とかで市内のホテルが満杯で、ここを選んだらしい。が、なかなか素敵な郊外だ。 欠点はIT関係の連絡が悪いこと。事前準備が必要だった。海外用携帯電話・ネットカフェで利用できるPCの準備など。しかし、今回は軽量ノートパソコンにはずいぶん助けられた。往復の飛行機の中で溜まっていた原稿が書ける。退屈するとゲームができる。ためていた書類が読める。取り込んだ写真が見える。帰り便で隣に座ったドイツ青年に「仕事はなんですか?」と聞かれてパワポを見せたりもできた。
12日の旅の感想は、「サステイナブル社会に向けて、ドイツの市民運動でさえなお闘っている」ということだ。当たり前だ、といわれるとその通りだが、とかく私は、ドイツやデンマークを理想として語ってきた。そのドイツで、例えば「風力発電設置数が減っている」というのだ。今年はじめ、『ドイツの風力発電の設置に再び勢いがついた。2006年設置された新規の発電容量が1208基・発電容量223万KWになり前年比23.5%増で、設置総数18,685基にのぼり国内電力需要の5・7%を賄っており、2010年までに再生可能エネルギーの割合を消費電力の12.5%に引き上げる政府目標は達成できる』という風力発電協会会長の自信に満ちた情報をえていたからである。
衝撃的だった。そのときは闘わなければならない理由が何なのか、まだわからなかったが、日本の私たちが要求する「自然エネルギー買取補償制度の導入」とは比較にならない高次元の話だろうが、最終日に講師のDr.Pesch氏は『ドイツを理想だと思っているでしょう?電力を自然エネルギーにすることは、小さなことではない大挑戦だ。ドイツ政府が偉いわけではない、政治家が優れているわけでもない、我々が闘っているのだ。』と、だから日本でもがんばれと…激励された。
とは言え、ドイツの温暖化防止対策としての「自然エネルギーの普及」「脱自動車・交通政策」「廃棄物政策」は制度設計がしっかりしていて先進している。自然エネルギーで儲かるしくみ、公共交通利用者が7割を超えるシステムなど、逐次レポートします。
(写真は大聖堂屋上から見たフライブルグ市街地)
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