第6分科会
ライフスタイルをどう変革するか
コーディネーター 青山政利
(Masatoshi Aoyama)
第6分科会には、のべ80名を越す参加者があり、盛会でした。分科会には別掲6つの報告と、「生活者の視点で私達にできることは・・・」をテーマに、コープこうべ理事の辰巳 由美子氏の生活の現場から見たライフスタイルの問題についての報告があり、合計7つの報告が提出されました。
7つの報告終了後、分科会参加者全体での討論を約2時間行いました。
そこでは多くの課題について幅広く問題提起され、ライフスタイルの変革がいかに重要であるか、また参加者の問題意識が集中しているのかを実感しました。
出された課題は幅広く、配布された資料の用紙を片面しか使っていないという事務局批判も含めて、割り箸、タバコという個人の生活レベルから、自動車による輸送体系などの社会の形態、自治体の役割などの政治的課題など、多岐にわたる問題が提起されました。
とくに、鉄道を切り捨て、自動車を中心とした輸送形態に変えてきた交通政策、大量の消費を進める浪費型社会に多くの批判が出されました。
参加者全員のほぼ統一された意見は、大量生産大量消費の社会形態では、永続可能な社会は実現できないということかと思います。
ただおしむらくは、議論が、得てして個人の生括の姿勢に集中過ぎる嫌いがありました。コーディネーターの意図としては、永続可能な社会を建設するためには、社会としてどのような責任があるのかをもっと深めて議論したいと考えていましたが、生活体験からの議論の方がしやすく、どうしても個人の「責任」的な議論に流れてしまったように思います。
もちろん今地球上で、とくに「先進」工業国で生活している個人の役割には大きなものがありますが、社会としての責任の議論抜きには解決できない問題の方が重大であり、永続可能な社会をつくるためには重要な位置をしめています。
第1回の研究集会としては、成功であろうと思っていますが、今後に引き継ぐためには、個人の生活レベルにとどまることなく、生活をそうさせている社会と、企業と、政府の責任を、もっともっと掘り下げていくことが必要であろうと思います。
5000年後の子孫が、平和かつ健やかな生活を営んでいることを願って。
アメリカ合衆国におけるエネルギー・環境・永続可能性:法的見通し チャールズ・コーワン |
1994集会 |
[第6分科会 基調報告] 永続可能な社会でのライフスタイル 青山政利 |