投稿者: ssnet 投稿日時: 2007-12-19 18:30:00 (1608 ヒット)

                           フジナガレポート no4

 2002年2月1日、ドイツでは新築住宅に低エネルギー対策を義務付ける『省エネルギー政令』が発効した。同政令はエネルギー消費基準を5段階に定め、住宅の特徴を定義している。

…礇┘優襯ー住宅とは、1世帯独立住宅で暖房用エネルギー消費量1屬△燭蝓憤焚爾垢戮特碓未廊屬△燭蝓70Kwh、エネルギー消費量90Kwh以下。

▲僖奪轡屮魯Ε垢蓮暖房用エネルギー消費量15Kwh、エネルギー消費量30Kwh。(熱交換器によって外気を暖めるとともに室外に出る熱の80%を換気扇によって回収し暖房設備が要らない。)

ゼロ暖房エネルギーハウスは、太陽エネルギーのパッシブな利用と照明器具や電気器具、人の発する熱などによって暖房用エネルギーを必要としない住宅。

ぅ璽蹈┘優襯ーハウスは、外部からのエネルギー購入を必要としない住宅。太陽光発電設備や燃料電池によって自家発電する家。

ゥ廛薀好┘優襯ーハウスは、自家消費をすべて賄った上で、逆に外部へエネルギーを供給できる住宅。ソーラーパネルで発電した電力を自家消費したあと、余った電力を電力会社に販売する。

前回のレポートにあるように、販売する電気料金が約74円で、購入料金が最大で28円と、自然エネルギー買取補償制度が導入され採算は充分取れるので初期投資がかかっても導入する家庭が多く普及を促進している。

 連邦政府は、こうした省エネ住宅や省エネ暖房の普及とコ・ジェネレーション設備の拡大によってもたらすCO2削減効果を、2025年までに現在の年間約1億9000万トンの半減としている。(ドイツの全排出量の1/10にあたる。)とはいえ新築住宅はドイツの全住宅数3900万戸の0.7%の29万戸に過ぎず、既存住宅への断熱・遮熱措置が課題になっている。

実際の様子を、フライブルグ中央駅から電車で30分ほど離れた『Vaubanボバーン』を5年ぶりに訪れた。ほぼ完成に近いボバーン地域は、当初計画通り市電が地区の真ん中を走り、緑が生い茂り落ち着いた住宅地になっていた。案内してくださったの「NPOフォーラム・ヴォバーン」の代表から、日本語も入った案内パンフが配られ日本からの見学者の多さを実感したものだ。

 ヴォバーン地区は、広さ42haに5000人が居住、住民の31%が18歳未満というドイツ国内でも若者比率が最も高いことで知られる。豊かな色彩がそれを物語る。個建て住宅とともに共同設計・共同購入によるグループ住宅も多い。脱炭素もうひとつの課題、脱自動車を自動車の保有台数で見ると、フライブルグ市の住民1000人当たり460台に対し、ヴォバーン地区では89台であり、当初計画は成功している。カーシェアーリングも実行ずみだ。

 低エネルギー地区と呼ばれるこの住宅群のエネルギー消費量について質問してみた。
ドイツの一般家庭の消費エネルギー量は1屬△燭200〜300Kwhであるが、新建築法に定められたのが100Kwh、ヴォバーン地域の平均は現在60Kwh、さらに削減可能だ。カラーパネルの家では12Kwhだと言われる。

サステイナブル地区・ヴォバーンは、実に豊かでゆったりした住宅群である。


投稿者: ssnet 投稿日時: 2007-11-09 14:30:00 (996 ヒット)

                      フジナガレポート no3

レポートno1で、「ドイツの市民運動も今なお闘っている」と書いた。その根拠として示されたのが下記のグラフ(クリックで拡大)だ。自然エネルギーの分野で私は、ドイツやデンマークを理想像で語ってきたので報告は大変ショックだった。

Phcsyu氏の話では、2003年以降、風力発電所の設置数が足踏みしているのだ。2000年、「自然エネルギー促進法」の制定で、自然エネルギー電力買取補償制度が導入され、太陽光の設置数は日本を追い抜きぐんぐん普及しているし、市民出資型の風力発電所も伸びていると聞いてきたのに、なぜ????。

2007年上半期までの設置総数は、約19,000基に上る。が、設置数は確かに減少している。理由は、\瀏の大型化(洋上風車では6MW規模、高さ100m、羽の長さ100mの超大型)で効率を追求した。陸上でも大型への建替えがすすんでいる。⊇K,任△訶效詫用計画が上位にたって地域の風力発電機が思うように設置できない。I力発電設置のための環境アセスメント法が改正され、生態系への影響や騒音・日陰・景観など厳しい内容で、しかも早いスピードで施行され、その手続きに時間がとられている。など、市民型発電機の設置は伸び悩んでいるそうだ。

日本でもときどき問題になる「野鳥の衝突被害」について調査した結果、被害は1年間で1羽だった。陸上でまだまだ設置可能地域があるのに足止めされている、と言う。背景に原発推進派がいる。ドイツ国民の原発支持率は10%、風力発電は70〜90%だ。

風力発電の環境リスク減価償却は3ヶ月〜5ヶ月、ソーラーパネルは4〜5年、原発は償却不可能だといわれた。原発立国日本には環境リスク減価償却という考えがあるのかどうか、当SSネット代表の林智先生のコメントが必要だ。


投稿者: ssnet 投稿日時: 2007-10-29 11:59:25 (936 ヒット)

                    ふじながのぶよレポートno2

レポートNo1に登場したDr.Pechさんは、「Fesa」というエネルギー・ソーラー振興協会の理事である。彼らが所有する大規模太陽光発電所B31を訪れた。


幹線道路B31脇に建ったので「B31」という。兎に角でかい。出力なんと336KWだ。日本の一般家庭の屋根に載っているパネルが4kwくらいだから約80倍の大きさ。年間約34万kwh、ドイツの一般家庭100世帯分くらいの消費量を発電する。

ここで発電した電気は全量1kwhあたり49Euro cent(日本円で約80円)で電力会社に義務として買取られる。年間の売電額は16.7万ユーロ(約2800万円。*この時1ユーロ165円で計算。)と試算している。投資総額は、約191万6千ユーロ(約3億1千万円)、30%が自己資金でこれを85名の公募投資(1口30万円程度)で賄い、あとは金融機関から借り入れた。耐用年数を20年とし、その間の総発電量は680万Kwh、固定価格で買上げられる売電額は334万ユーロ(約5億5千万円)。金融機関には3.75%の低利で15年で返済し、その後は経費を除いた利益のすべてが投資家に分配される。出資者には年4%の配当が支払われる計算。結局、20年間の販売総額は投資額の174%にも上る。儲かるのだ。

 儲かる仕組みは、こういう大型だけではない。ECO住宅地区である『ヴォバーン』(元はNATO軍の基地であったところ。市民に開放されエコ住宅地として創設された)は、現在は42haに5000人以上の若い世帯が居住している。住宅地の中まで市電が入りカーフリー政策が実行されている。ここでは使用エネルギーを通常の25%以上削減される低エネルギー住宅が大半で、中にはソーラーパネルを設置し、消費するエネルギーより売電するエネルギーの方が多い「プラス・エネルギーハウス」もある。

質問したら、固定価格買取制度によって1kwhあたり約75円で発電全量が買い取られる。そうして、必要な電気は通常価格の1kwhあたり10~17セント(17円から28円)で電力会社から買うのだ。この差額が儲けになる。ドイツの固定価格買取制度とは、こういう儲かる仕組みなのだ。

 日本の我々の市民共同発電所は、余剰電力買取制度で「余った分だけ」通常価格で買い取られる。耐用年数がきても元は取れない。温暖化対策の重要な柱のひとつ「自然エネルギー普及」に向け日本の制度改革は急務だ。(写真は、B31とプラスエネルギーハウス)


投稿者: ssnet 投稿日時: 2007-10-19 10:13:50 (942 ヒット)

                           ふじながのぶよ・レポート   no1


2007年9月24日、4年ぶりにドイツ・フライブルグに向かった。

今回は、「自然エネルギーの進捗状況」「脱自動車の交通政策」「焼却に方針転換したプラスチック容器ごみ」の勉強と視察が目的であったが、定点観測のように5回目の訪問になるので、故郷に帰るようなほっとした旅であった。出国審査を終え、大好きなアナウンスに送られ出発した。

 9月末だというのに、30℃を記録する『暑い大阪』から12時間余、フランクフルト空港はさわやかだ。

 特急に乗り南へ2時間あまりでフライブルグ駅に、乗り換え30分で黒い森の中の駅「Winden」に到着。  
牛のにおい、干草の匂い、満天の星。

 ここを拠点に10日間の研修が始まる。フライブルグ大学創立100年祭とかで市内のホテルが満杯で、ここを選んだらしい。が、なかなか素敵な郊外だ。
欠点はIT関係の連絡が悪いこと。事前準備が必要だった。海外用携帯電話・ネットカフェで利用できるPCの準備など。しかし、今回は軽量ノートパソコンにはずいぶん助けられた。往復の飛行機の中で溜まっていた原稿が書ける。退屈するとゲームができる。ためていた書類が読める。取り込んだ写真が見える。帰り便で隣に座ったドイツ青年に「仕事はなんですか?」と聞かれてパワポを見せたりもできた。

 12日の旅の感想は、「サステイナブル社会に向けて、ドイツの市民運動でさえなお闘っている」ということだ。当たり前だ、といわれるとその通りだが、とかく私は、ドイツやデンマークを理想として語ってきた。そのドイツで、例えば「風力発電設置数が減っている」というのだ。今年はじめ、『ドイツの風力発電の設置に再び勢いがついた。2006年設置された新規の発電容量が1208基・発電容量223万KWになり前年比23.5%増で、設置総数18,685基にのぼり国内電力需要の5・7%を賄っており、2010年までに再生可能エネルギーの割合を消費電力の12.5%に引き上げる政府目標は達成できる』という風力発電協会会長の自信に満ちた情報をえていたからである。

衝撃的だった。そのときは闘わなければならない理由が何なのか、まだわからなかったが、日本の私たちが要求する「自然エネルギー買取補償制度の導入」とは比較にならない高次元の話だろうが、最終日に講師のDr.Pesch氏は『ドイツを理想だと思っているでしょう?電力を自然エネルギーにすることは、小さなことではない大挑戦だ。ドイツ政府が偉いわけではない、政治家が優れているわけでもない、我々が闘っているのだ。』と、だから日本でもがんばれと…激励された。

 とは言え、ドイツの温暖化防止対策としての「自然エネルギーの普及」「脱自動車・交通政策」「廃棄物政策」は制度設計がしっかりしていて先進している。自然エネルギーで儲かるしくみ、公共交通利用者が7割を超えるシステムなど、逐次レポートします。

(写真は大聖堂屋上から見たフライブルグ市街地)


投稿者: ssnet 投稿日時: 2007-06-11 09:01:41 (849 ヒット)

 某事務所の改装・大掃除を手伝った。
その際に出た、大量の廃材や古いパンフ、書籍の処分を業者にお願いした。

トラックに積み終えた業者に「廃棄処分料はいくらですか」と聞いた。返ってきた答えは「前半分の物は死んでるけど、後ろの分は生きてるので、帰って計算してから返事します」とのことだった。結局処分料は請求されなかった。業者は採算がとれた、つまり売れるごみが多かったのだ。

 こうした経験をもっていたので、家電量販店のヤマダ電機やミドリ電化の「不要家電横流しーリサイクル料着服」の新聞記事が、下請け業者の不正行為をとりあげただけで、消費者にだけ負担を強いる不要家電リサイクルのあり方に、疑問を投げかけた記事がなかったのは大いに不満であった。

 新聞記事には、「不要家電1600台を中古販売・輸出業者に持ち込んで」「目の前にお金に換えられる中古家電があって・・」「どこかに捨てるわけでなし、お客さんが困るわけでなし、出す先が変わるだけなので・・」とある。

 「生きてるゴミ」は、持ち込む先が変わると「支払うべきお金」が逆に「もらえるお金」に変わるのである。言い換えると、まだまだ使えるゴミがリサイクルの名で使えないゴミに分類されている。「リサイクル」より「リユース」優先だ。

 趣味で骨董市や「我楽多市」に出かけることの多い私は、古布のリメイクや、欠けた茶碗や皿の「金繕い・金継」にも挑戦している。循環型システムの中で、最もローテクで価値の高いのは「そのまんまリユース」である。

 毎月21,22日大阪市天王寺区にある四天王寺さんの「市」はリユースの見本市である。
一度お出かけになられては、いかがでしょう。

                           中居多津子(SSネット会員)


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